2013年4月14日日曜日

画像認証カタログその3:Passfaces

顔認証、ではなく、人間の顔認識能力を利用するPassfaces

三つ目にご紹介するのは「Passfaces」です。現在は「Passfaces Corporation」という名前になっているようですが、当時の社名はReal Userだったようですね。こういうの(PDF)が見つかるので、少なくとも2003年にはアイデアが固まっていたようです。
ちなみに、話がちょっと逸れますが、ここにかかれている「普通の文字列の」パスワードの問題点というのは今でも解決できていませんね。ここ数ヶ月は「安易な」パスワードの使い回しが原因と思われるサイト侵入が多数発生していますから、もう少し真剣に議論されるべきではないかとは思ったりします。
当時realuser.com、現在のpassfaces.comにいくつかホワイトペーパーが公開されています。「The Science Behind Passfaces」は一読の価値はあるかも知れません。
しかしrealuser.comとpassfaces.comのリンクが入り乱れていて厳しいwebサイトですね…。プレスリリース等も出ているようなので、これを主な商品として会社は今でも存続しているようです。(そのうちご紹介しますが、この業界は結構会社が短命なことも多いです。)

基本的な仕組み

基本的な仕組みは、秘密情報として顔画像を記憶しておくというものです。秘密情報に指定されたものを含めて複数の顔画像を並べて表示し、その中から正しいものを選択することによって認証を行う仕組みです。

理論的な裏付けとして述べられているのは、人間は人間の顔を識別する能力や記憶する能力が高い、という話です。そういうことはあるのかも知れません。が、難しいですよね。外国人の顔は全部同じに見える、みたいなこともよく言われますし、人の顔を覚えられない人って実際いるような気がします。似たような顔の人を二人並べられたときにどっちか言えるかというと確実じゃないような気がします。
こんなビデオがYouTubeに転がっていたりします。2009年のもの。

分類と考察

みたところ画像はシステム側が用意したものを使うようです。まあそれは当たり前かもしれません。知り合いの顔画像を使ったりしたら一発で破られてしまいますから。分類すると、「システム提供画像」型「複数絵並べる」型「画像選択」型という感じでしょうか。
すでに指摘もありますが、「毎回出現する画像」を発見されてしまうと割と簡単に突破されてしまうという話もあるので、実用的にはどうなのかなという気はします。実は画像認証ってこの画像を並べて表示して正解画像を選択させる、というタイプが多いのです。これだとランダムでも突破される確率がそれなりにあるので、そこをどうするかなどいろいろ課題は多いなあと思っていたりします。実運用されているところが見てみたいという気もするのですが、なかなかそういうところに出会いません。

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