Blonder特許
この辺の論文等で引用されている中でも古い部類にはいるのが、1994年に出願された「Graphical Password」という特許(USP5559961)です。(公開1996年)Lucent Technology(AT&Tからスピンアウトした通信技術系企業、後のアルカテル=ルーセント)のGreg Blonderという人が書いたもののようです。
1996年に公開されたところまでは書誌から分かるのだけど…登録番号もらってるし登録なんだろうな。USPが特許公開制度に移行する前だったのですね。(末尾がAになっている。)
Lucentって
LucentはAT&Tからスピンアウトするときにベル研を傘下に抱えていたので1990年台後半、結構な存在感というか技術的な話題の中心的役割というかそういうのを持っていました。InfernoなんていうOSは相当面白そうだったりしたのですが。
もったいないですねえ。
ちなみに、すでにNewtonは世の中に出ていたりしましたので、このBlonder特許もPDAやペン入力コンピュータを意識したものであったのだと思います。あとタッチパネルKioskなんていうのも世の中に普通に出てきていた頃でしたね。
Graphical Password
で、特許の中身ですが、ユーザーが画像上で指示した座標をメモリにパスワードとして保存する方法および、ユーザーが指示した座標がメモリにパスワードとして保存されたものと一致していたらアクセスを承認し、一致していなかったら承認しない、という話です。その1で取り上げたPassPointsとあまり変わらないというか、基本原理はそのものですね。
PassPointsは入力された座標が一致しているかという判定を(クリックする座標はブレるものなので)ある範囲で容認するとかそういう実装面での工夫が入ったのだと思います。まあPassPointsは特許ではなく論文だったのでそこも関係しているのかと思います。
分類と考察
考察と言うほどは見てなかったりします。PassPointsがリアル実装なのを考えると分類的には「システム提供画像」型「一枚絵」型「座標」型なのでしょうかね。ある意味記念碑的な特許のような気がします。とはいえこの特許で引用されているさらなる先行特許もあったりします。その辺もそのうち研究してみよう。
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